1979年、南相馬市生まれ、38歳。
専門学校を卒業後、家具製作の会社において営業を担当する。
2007年、勤める会社が倒産したのを契機に、株式会社トラスト・ワンを創業。常務取締役に就任。翌2008年より代表取締役。
創業以来、リーマンショックと東日本大震災の2度の危機を乗り越え、家具製造から内装全般に事業領域を拡大し、全国展開する。
高校生のころ建築業界に興味を持ち、東京の専門学校に進学しました。卒業後は地元の福島県南相馬市で就職を考えていたのですが、建築関係の仕事は見つからず家具製造会社に入社します。睡眠は1日2時間、繁忙期には3カ月も無休という過酷な労働環境でしたが、常に新しいことに挑戦できたので、辞めたいと思ったことは一度もありません。会社は数年間で内装事業にまで業務を拡大しましたが、6年後には経営難に陥り倒産してしまいます。しかし、この会社の仲間と働き続けたいという思いもあり、工場長を始めとする15人のメンバーと新たに会社を設立しました。現在は家具製造事業から内装事業、またITを駆使した新規事業も展開しています。
起業後、最も苦労したのは資金繰りです。仕事の受注はありましたが、会社として信頼を得るまでは、竣工から数カ月後の入金にも関わらず、着工前に資材費を請求されることが多くありました。また東日本大震災の影響も大きく受けています。南相馬市は原発事故により工場の資材を持ち出せず、また持ち込むこともできない状況でした。幸いにも岩手県に工場とアパートを借りられたので社員を家族ごと避難させ、会社を守るため必死で事業を継続しました。全国から資材を調達し、たとえ利益が出なくても仕事を全うしたのです。こうした経験を乗り越えた今、多くの仲間が日々の営みを取り戻せるよう、地域を支える企業でありたいと考えています。
従来の内装事業で売り上げの拡大を目指すだけはなく、内装業界の課題解決に向けた新規事業にも積極的に取り組んでいます。例えば飲食店を開業する場合、物件を決めて内装業者に見積もりを依頼すると、およそ2カ月かかります。その間、物件が埋まらないよう借りると余計な賃料が発生してしまいます。そこで、デザイン、平面パターン、広さをウェブサイト上で選択するだけで、すぐに見積もりを算出できるシステムを開発しました。ランチ単価や平日の回転予測などの情報から事業収支の簡単な5カ年計画を立てられるサービスも展開しています。またVRを導入し、開業前の社員研修やお客様とのイメージ共有に活用しています。
何十年も前から変わらない建築業界を変えたい。新しいスタイルを生み出したい。こうした思いから、トラスト・ワンではITを駆使した新規事業を推進し、新たな可能性を生み出しています。そして、この可能性を広げるためにも、自己主張ができる人を求めています。会社の方針や事業内容と異なる主張であっても、そこから生まれる化学変化が重要なのです。従来の建築業界にはない若い発想を持ち、会社の歯車ではなく主軸になりたいという意欲ある人と働きたいと考えています。社員の夢や希望を実現できるよう、多くのアイディアからさまざまな化学変化を引き起こし、これまで世の中になかったものを創出できるような企業を目指しています。